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脳神経外科 内科 漢方

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高血圧 / 血圧が高い

血圧とは「心臓から送り出された血液が、血管の壁に与える圧力」のことであり、高血圧とは血管に強い圧力がかかっている状態です。この状態が続くと自覚症状のないままに血管が痛めつけられ、徐々に動脈硬化が進んでいきます。そして脳卒中認知症、心臓病、腎臓病といった危険な疾患を引き起こすこととなります。高血圧は脳の病気を発症させることが多いため、脳神経外科では高血圧治療も数多く行っています。ここでは高血圧の原因と予防、治療について説明しています

高血圧とは?

血圧

血圧は心臓がポンプのように収縮と拡張を繰り返し、送り出す血液が血管の壁に与える圧力のことです。「上」の血圧とは心臓が収縮し血液を送り出すときの血圧のこと、「下」の血圧とは心臓が拡張するときの血圧を示します。

血圧は大きく上下に変動します。変動する要因は数多くありますが、最終的には心臓と血管いずれかの状態が変化することで血圧が変動します。心臓の「収縮する力」と「送り出す血液の量(体液量)」、また血管の「広がり具合」により血圧は規定されます(血圧=心拍出量✖️血管抵抗)。心臓が強く収縮し多くの血液を送り出すと血圧は上昇します。また血管が収縮したり、動脈が硬くなり広がらなくなる(動脈硬化)と血圧は上昇します。

血圧測定

病院で測定する血圧は診察室血圧、自宅で測定する血圧は家庭血圧と呼ばれます。正確な診断のためには朝・晩と1日2回の家庭血圧の測定が重要です。

高血圧

高血圧とは血管の壁に強い圧力がかかり続ける病気です。怖いことに自覚症状はほとんどありませんが、血管が傷つき動脈硬化が進みます。高血圧は重篤な疾患につながりますが、自覚症状がほとんどないため高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれています

家庭血圧の平均が135/85mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。この数値を上回ると脳梗塞や脳出血などの脳卒中や心筋梗塞・心不全などの心疾患、また認知症などの発症する確率が上昇することが示されています。

自宅で1週間ほど朝・晩と血圧を測定することで高血圧かどうか判断できるので、健診などで血圧が高めと指摘された場合には是非ご自身でチェックしてみましょう。

血圧上昇

高血圧の原因は?

高血圧の約90%は生活習慣、特に食塩の過剰摂取が原因で起こる本態性高血圧です。約10%程度は腎臓病やホルモンの異常などの他の病気により引き起こされるため二次性高血圧と呼ばれます。二次性高血圧の場合は原因となっている病気の治療が必要です。

日本では醤油、味噌、お漬物など食事での塩分摂取量が多いです。また摂取した塩分はいずれ体外へ排出しますが、日本人は欧米などの民族と比較し遺伝子レベルで塩分を体内に溜め込みやすい性質があることが示されています。つまり日本人は塩分を多く摂取し、なおかつ塩分を排泄しにくい体質をしているため高血圧になりやすいということです。

塩分摂取

体液量の増加は血圧を上昇させる要因の一つですので、塩分を多く摂取するほど血圧は上昇しやすくなります。また塩分の多くは腎臓から尿へと排泄されますが、大量の塩分を尿に排泄するには血圧を上昇させる必要があります。塩分の排泄が終わると血圧は下がりますが、毎日多くの塩分を摂取し続けると血圧の高い状況が持続し高血圧となってしまうのです。このような理由から高血圧の方には減塩が推奨されています。

高血圧の改善のためには1日の食塩摂取量を6g未満にする減塩が推奨されます。しかし日本人は食塩摂取量が元々多く、平均食塩摂取量は10gを超えます。そのため減塩をすると食事が味気ないものと感じやすく、6g未満を達成できている高血圧患者さんは約20%程度しかいないと報告されています

高血圧は治療しないといけないの?

高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)

これまでの研究により血圧が120/80mmHgを超えて上昇するほどに脳心血管病による死亡が増加することが示されています。つまり血圧が上昇するほどに脳梗塞や脳出血といった脳卒中、心不全などの心血管疾患、腎不全といった病気になりやすくなります。しかし高血圧だけでは多くの場合が無症状であり、それゆえに病院へ受診せず放置してしまったり、途中で治療を中断してしまうことが多く、日本の大きな健康問題となっています。

絶対ダメ、高血圧の放置!

日本には高血圧の人が4300万人いて、治療を受けている人が56%、治療を受けていない人が44%と推定されています。また治療を受けていても目標とする血圧を達成できていない人が約半数というのが日本の現状です。そのため日本では高血圧により年間約10万人が脳心血管病で死亡しています高血圧治療を行うことで脳卒中や心血管病、腎不全や認知症を予防することが可能です。

血圧が高いことを指摘された人や高血圧の治療を行っていたけれど通院をやめてしまった人は必ず病院に受診し、治療を継続しましょう。

ダメ

高血圧の治療

高血圧の原因は日々の生活習慣が大きく影響しています。そのため治療の基本は①に生活習慣の改善であり、②に薬物治療です。まず1ヶ月を目安に生活習慣の改善から治療を開始し、それにも関わらず十分に血圧が降下しない場合に薬物治療を組み合わせます。

高血圧になりやすい生活習慣

濃い味付けが好き

日本人の高血圧の特徴として塩分の摂取量が多いために血圧が上昇する塩分感受性高血圧があります。減塩により血圧を下げる効果が期待できます。そのため料理の味付けには塩のかわりに出汁をきかせたり、酢や香辛料を用いて味気なく感じないようにしましょう。また漬物やインスタント食品はなるべく控えましょう。麺類のスープは残しましょう。

野菜の摂取量が少ない

ほうれん草、玉ねぎ、セロリ、アスパラガス、バナナ、アボカドといった野菜や果物には塩分を体から排出する「カリウム」という成分が含まれていて、血圧の上昇を防ぐ働きがあります。ただし果物の食べ過ぎはカロリーの過剰摂取につながるため、適量を心がけましょう。

高血圧食事療法

運動不足である

適切な運動は血圧を下げます。運動というと激しく息の切れる運動や筋肉トレーニングを想像される人が多いですが、高血圧の予防や改善に効果的な運動は運動時に酸素をたくさん取り込む有酸素運動です。年齢や症状によって適切な運動の種類は異なりますので運動を始めるときは是非医師にご相談ください。

太り気味である

肥満により増加する内臓脂肪からは悪玉物質が分泌され、体に悪影響を及ぼします。これにより高血圧だけでなく、糖尿病や高脂血症にもつながります。適正な体重を維持することが望ましいですが、まずは1〜2kgの減量から始めましょう。これだけでも内臓脂肪が減少し、血圧が低下するなど生活習慣病の改善効果を認めることがあります。

ストレスが溜まっている

身体的・精神的ストレスを感じると血管が収縮します。上記した通り、「血管の広がり具合」は血圧を変動させる大切な要因でしたね。ストレスにより血管が収縮すると血圧は上昇してしまいます。運動する、音楽を聴く、入浴するなど心身ともにリフレッシュする機会を作りストレスを解消することが重要です。

睡眠不足である / 睡眠時無呼吸がある

睡眠が不足すると自律神経の作用により脳が興奮状態となりやすく血圧が低下しにくくなります。睡眠をたっぷりとり、心と体を休めることで血圧は安定しやすくなります。

また睡眠時無呼吸などによって睡眠の質が低下した場合にも自律神経の作用により脳が興奮状態となり同様のことが起こります。睡眠時の無呼吸により血圧が上昇した場合は通常の薬物治療では血圧が下がらないことがあります。睡眠時無呼吸の治療が必要となります。

タバコを吸う

喫煙により血管が収縮するため血圧が上昇します。これにより高血圧や動脈硬化が起こり、脳卒中や心筋梗塞、心不全などを起こしやすくなります。若年でも高齢でも禁煙による効果は期待できますので、1日でも早く禁煙しましょう。

自力での禁煙が難しい、もしくは以前に禁煙したが失敗したことがある場合は、禁煙補助薬の使用や禁煙外来を利用して、より確実な禁煙を行いましょう。

お酒をよく飲む

過度の飲酒は血圧を上昇させる原因となり、また合わせて口にするつまみには塩分量の高いものが多いので注意が必要です。高血圧の人の継続的な飲酒の習慣は脳卒中を起こしやすくさせます。適切な量と休肝日を設ける節度ある飲酒を心がけるようにしましょう。

適切な量とは男性の場合はビールなら中瓶1本、日本酒なら1合未満であり、女性はその半量を目安にしましょう。

高血圧の薬物治療

現代では血圧を下げる優秀な降圧薬が数多く存在し、これ以上の開発は難しいとさえ言われています。しかし、それにも関わらず降圧目標の達成率は50%を超えられないのが日本の現状です。

二次性高血圧の確認

前述したように高血圧の90%は塩分の摂取が多いことなどによる生活習慣が原因である本態性高血圧ですが、10%は腎臓病やホルモンの異常などが原因である二次性高血圧と呼ばれるものです。二次性高血圧では降圧薬の効きが悪かったり、元の病気の治療により血圧が正常化することもあります。そのため初めて高血圧を指摘された場合は最初に二次性高血圧でないかを確認することが重要です。

原因に適した薬を選択する

前述の通り、心臓の「収縮する力」と「送り出す血液の量(体液量)」、また血管の「広がり具合」という要素により血圧は規定されます。どの要素が血圧上昇に最も寄与しているかを判断し、それを是正するタイプの降圧薬を選択します。年齢や罹患している疾患により起こりやすい合併症が異なり、また降圧薬の種類により疾患ごとの予防効果も異なるため、一人一人に最適な薬を判断して選択します。

当院の診療

01

問診

詳細な症状・経過や既往歴を聴かせていただきます

02

診察

二次性高血圧の可能性を考慮し、全身の身体診察を行います

03

血液検査

二次性高血圧や合併症の評価のために血液検査を行います

04

治療

生活習慣の改善と自宅血圧測定を行っていただきます

05

効果判定

生活習慣改善の効果により薬物治療の必要性を判断します

06

薬物治療

血圧上昇の原因と身体の状態から最適な薬を選択します

当院では日本脳神経外科学会専門医/指導医である院長が診断・治療を行っております。お気軽に相談いただけるクリニックですので、血圧が高いと指摘された場合や血圧が高くて心配なことがありましたら、いつでもいらしてください。オンライン診療でも対応可能です。

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