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脳神経外科 内科 漢方

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首が痛い / 手がしびれる

辻堂脳神経・脊椎クリニック院長の中川です。

首が痛む時には頚椎や首の筋肉の障害による痛みをまず考えますが、その原因疾患は多岐に渡り、頭蓋内に関与する病変も原因となりえます。様子を見ても良い疾患もありますが、すぐに治療を行わなければ四肢麻痺などの重篤な状態へと進展してしまう疾患が首の痛みには隠れています

また腕や手がしびれる際には原因として脳や頚椎・頚髄、頚神経・末梢神経が考えられます。当然のことながら原因により治療方法は異なり、放置すれば手指の巧緻運動障害(手が不器用になる)や筋力低下へと進展してしまう可能性もあります。

このページでは首の痛みや腕の痺れの原因となりうる疾患について説明し、受診が勧められる症状や特徴について説明していきます。首の痛みや手のしびれでお困りな方はぜひ参考にしてください。

首が痛む・手がしびれるのは何故?

頚椎の構造

ヒトの首の骨である頚椎は7つあり、それぞれ重なり合う部分で関節を形成します。もし頚椎が1つの骨のみであればヒトは首を曲げることができません。7つの頸椎の関節が動くことで首を前後左右へ傾けたり、右や左へ回すことができます。

また頚椎と頚椎の間にはクッションの役割を持つ椎間板があり、さらに頸椎には複数の靭帯、筋肉が付着して構成されます。このような頚椎の中には脊髄や神経根が保護されるように存在します。また周囲には重要な血管、神経が走行しています。

脊椎イラスト

頚椎の機能

  • 頭部の支持機能(頭部をフラフラさせない)
  • 運動性の保証(首を上下左右へ動かす)
  • 脊髄・神経根の保護(脊髄が硬い骨である頸椎に納まっている)

頚椎の機能の破綻

頚椎の重要な機能が破綻すると脊髄や神経根が圧迫を受けて、首の痛みや上肢のしびれの原因となります。頚椎周囲の椎間板、靭帯、筋肉が障害されることでも痛みやしびれが出現します。また腫瘍や感染症が頚椎周囲に発生することで痛みの原因となることもあります。

首の痛みがなく、しびれの症状のみの場合は頚椎以外の病変による神経の障害も原因として考えられます。多くの疾患が原因となりえます。

  • 頚椎や椎間板の老化現象である変性により脊髄や神経根を圧迫し痛みやしびれが出ます
  • 頚椎をつなぐ靭帯が骨化し膨隆することで脊髄や神経根を圧迫し痛みやしびれが出ます
  • 首を動かす筋肉に負担がかかったり、痛めたりすることで痛みが出ます
  • 首を走行する重要な血管の障害で痛みが出ます
  • 首に発生した腫瘍が痛みやしびれの原因となることがあります
  • 首に発生した感染症が痛みやしびれの原因となることがあります

受診が勧められる症状

首の痛みや手のしびれがあり、以下の症状を伴う場合は「危険な」首の痛みや手のしびれである疑いがあります。医療機関への早急な受診と精査が勧められます。

  1. がんの治療を行った方・行っている
  2. 最近の体重減少がある
  3. 発熱や全身倦怠感がある
  4. 首の後ろの真ん中を押すと痛む
  5. 首の痛みと上肢の痛み・しびれがどちらもある場合

首が痛む原因疾患

頚椎症

首を構成する骨である頚椎とクッションの役割を果たしている椎間板に生じる変性(老化現象)により頚部の痛みが生じたものを頚椎症と呼びます。長い年月をかけて頸椎に形成される骨のトゲ(骨棘)が病変の主体です。骨棘により脊髄や神経を圧迫することで首の痛みやその他の症状が出現することもあります。

外傷性頚部症候群

むち打ち」や「頚椎捻挫」とも呼ばれる病態です。交通事故などの受傷時に、急に頭が揺さぶられることで頚椎や周辺の靭帯、筋肉に負荷がかかり損傷されるため首の痛みが生じます。頭痛やめまい、肩こり、手のしびれなども認めることがあります。

VDT症候群

VDTとはビジュアル・ディスプレイ・ターミナルの略で、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイを長時間見ることで目を酷使するために生じる病気です。ドライアイや目の疲れとともに首の痛みが出現することがあります。スマホやパソコンの使用という原因が同一であるため、筋緊張型頭痛や後頭神経痛といった頭痛を合併する方も多く、近年増加しています。

頚椎椎間板ヘルニア

首の骨である頸椎は7つあり、頚椎と頚椎の間にはクッションの役目をする椎間板という構造があります。この椎間板は比較的若い頃から変性(老化現象)する運命にあります。その結果として椎間板は脆くなり、荷重がかかりやすい部位で頚椎と頚椎の間から、隣接する脊髄や神経の方へ押し出されてしまい、脊髄や神経を圧迫します。ヘルニアとは本来あるべき位置から脱出してしまうことであり、椎間板が脱出するため椎間板ヘルニアと呼ばれます。頚部の痛みで始まり、数日後には肩から腕や手にかけて激しい痛みが出現します。

後縦靭帯骨化症

脊椎をつなぐ靭帯が骨の様に変化してしまう原因不明の疾患で難病に指定されています。背骨の中を縦に走り、上下を連結している後縦靭帯が骨化することで背骨の中が狭窄して、脊髄を圧迫します。欧米人と比較し、日本人に多いことが知られています。靭帯に骨化がみられても無症状の方もいます。発症するときは首の痛みや上肢のしびれから始まることが多いです。

椎骨動脈解離

脳の動脈の壁は内側から内皮、内弾性板、中膜、外膜で構成されています。この内弾性板が急激に断裂することで血液が血管の壁の中に流入するために、急に頭や首の痛みが起こる病気です。脳の動脈のうち椎骨動脈に起こる頻度が高く、脳梗塞やくも膜下出血を起こすこともある疾患です。

頚椎骨折

頚椎には頭部という重たい構造物(約5〜6kg)を支える役目があるため、首のみならず頭の受傷によっても頚椎の骨折を起こすことがあります。激しい首の痛み骨折している部位の圧痛を認め、首の動きに制限がみられます。頚椎骨折は非常に危険であるため、頭や首の受傷後に首が痛む方は精査が勧められます

破壊性脊椎症

透析を行っている方に起こり、透析を行っている期間が長いほど発病しやすくなります。血液透析ではβ2-ミクログロブリンというタンパク質が体外に排泄できず体内に蓄積していきます。この蓄積したβ2-ミクログロブリンがアミロイドと呼ばれるナイロンに似た線維状の異常蛋白質となり、脊椎周囲の靭帯に沈着していきます。沈着したアミロイドにより炎症が引き起こされ、靭帯の付着している脊椎や椎間板が破壊される疾患です。脊椎の中で頚椎に起こりやすい特徴があります。首の軽い鈍痛が多いですが、耐えがたいほどの痛みが出ることもあります。また不安定な脊椎が脊髄を圧迫することで麻痺などの症状が出現し、手術が必要となることもあります。

脊椎・脊髄腫瘍 / 転移性脊椎腫瘍

脊椎・脊髄に発生する腫瘍により痛みが発生します。頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアと同様の痛み方をすることもあり、痛み方だけでは鑑別できないことが多いです。ただし安静にしても軽快しない痛み横になっても軽快しない痛みの場合は癌の転移性腫瘍による痛みが疑われ、早急な検査・治療が必要となります。

感染性脊椎炎

脊椎の感染症は頻度が高くないですが、首の痛みを起こす危険な疾患です。発熱や全身倦怠感を伴う首の痛みを認める場合には必ず念頭に上がります。虫歯や中耳炎、膀胱炎など他の部位に潜在する感染症があることが多いです。糖尿病や免疫抑制の内服、脊椎の外傷の既往などが危険因子となります。点滴による抗生剤治療と場合によっては手術が必要となることがあります。

ストレートネック

頚椎は通常お腹側へ凸となるように緩やかに弧を描いています(前弯)が、この弯曲が弱く真っ直ぐに近い状態をストレートネックと呼びます。時折、大きな病気であると思い込んでいる方もいますが、実際はストレートネックでも症状が全くない人もたくさんいます。ただし頚椎が真っ直ぐになることでバランスが崩れ、頭部が体の前方に位置してしまうと重たい頭部を支えるために首の後ろの筋肉に負担がかかり頚部痛が出現します。

手のしびれの原因疾患

脳梗塞・脳出血

脳の血管が詰まる(脳梗塞)、もしくは破れる(脳出血)ことで脳が障害される疾患です。脳の中で感覚に関与する部位に脳梗塞や脳出血が起こると感覚障害やしびれの原因となることがあります。上肢のみならず下肢にも症状を認めることが多く、運動麻痺を併発することもあります。

脳腫瘍

脳梗塞や脳出血と同様に脳腫瘍が発生する部位によっては感覚障害やしびれが出現することがあります。

多発性硬化症

脳や脊髄、視神経の神経線維に炎症が起こり障害される疾患です。神経線維を誤って免疫が攻撃してしまう自己免疫性疾患と考えられています。日本人では脊髄の神経線維が障害されることが多く、頚髄が障害されると腕や手に感覚障害やしびれが出ることがあります。運動麻痺を伴うことも多いです。

頚椎症性神経根症

頚椎の変性によりできる骨棘が神経を圧迫することで腕や手にしびれや痛みが出現します。

頚椎椎間板ヘルニア

首が痛む原因疾患の項を参照

手根管症候群

正中神経という頚部から手まで走行する神経が手首の手根管という狭い空間を通過するところで圧迫されるために障害される疾患です。正中神経が障害されることで母指(親指)、示指(人指し指)、中指のしびれや痛みが出ます。夜中に悪化しやすい特徴があります。糖尿病や血液透析、妊娠、末端肥大症、滑膜炎、関節リウマチ、ガングリオン、甲状腺機能の亢進症および低下症に該当する場合は手根管症候群を起こしやすくなります時間が経過すると手の筋力が低下し、物をつかんだりすることが行えなくなることがあります。

肘部管症候群

尺骨神経という頚部から手まで走行する神経が肘の肘部管という狭い空間を通過するところで圧迫されるために障害される疾患です。小指のしびれ、違和感感覚の低下で発症することが多く、時には同部位に痛みが出ることもあります。時間が経過すると手の筋力低下が起こります。

糖尿病神経障害

糖尿病によって起こる合併症の1つであり、罹病期間が長くなるほど起こりやすくなります。片手だけではなく、両手両足にしびれが出現します。夜に悪化するジンジンとした痛みが出ることもあります。

ギランバレー症候群

風邪や胃腸炎の1〜2週間後から急に四肢の筋力低下を起こす疾患で、半数以上で両手両足にしびれや感覚の障害が出現します。カンピロバクターという菌が原因となることが多く、生や加熱不十分な鶏肉が原因となることが報告されています。

ビタミン欠乏症による末梢神経障害

ビタミンB1ビタミンB12葉酸が不足すると四肢の特に手や足の先にしびれや感覚の障害が出現します。偏食で摂取量が不足したり、アルコール依存症、下痢などで吸収不良のため不足したり、甲状腺機能亢進症妊娠のため必要量が増加するために不足することがあります。

薬剤による末梢神経障害

薬剤の副作用として起こる神経の障害で手足の末梢ほどしびれや感覚障害が強い特徴があります。以下はしびれを起こすことのある代表的な薬剤です。

  • 脂質異常症の治療薬
  • 抗癌剤
  • 抗ウイルス薬
  • 抗結核薬

当院の診療

01

問診

詳細な症状・経過を聴かせていただき、必要な検査を選択します

02

診察

頚部や上肢の診察と全身の神経診察をさせていただきます

03

画像検査

頚椎や椎間板の変性や脊柱管狭窄の有無などを評価します

04

血液検査

頚部痛やしびれの状況によっては血液検査を行うことがあります

05

治療

痛みやしびれに対する治療を開始します

06

病診連携

手術が必要な場合は手術可能な医療機関へ紹介させていただきます

当院では日本脳神経外科学会専門医/指導医である院長が診断・治療を行っており、ドクターが交代することなく責任を持って長い経過を診療させていただきます。お気軽に相談いただけるクリニックですので、心配がありましたら、いつでもいらしてください。

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