辻堂脳神経・脊椎クリニックロゴ
辻堂駅南口徒歩6分, MRI/CT完備
第1.3.5日曜診療
脳神経外科 内科 漢方

神奈川県藤沢市辻堂元町
1丁目7−18−1
JR東海道本線「辻堂駅」徒歩6分

0466-21-9055

頭痛 / 片頭痛

藤沢市にある辻堂脳神経・脊椎クリニックへようこそ。院長の中川です。

頭痛という症状は非常に多くの方に認められる症状です。そのため病院に受診せずとも、多くの市販薬を薬局やドラックストアで購入できます。頭痛持ちの方であればいつも携帯している薬もあるでしょう。このような環境において病院に受診する意義は何でしょうか?新しく頭痛が出現した方はもちろんのこと、いつもの頭痛であっても病院に受診していただきたい理由について説明していたきたいと思います。

当院の頭痛診療の目的は大きく3つあります。

いつもの頭痛は病院に受診した方が良いのか?

当院の頭痛診療の目的

1.危険な頭痛を見逃さない

頭痛は非常に多くの方に現れる症状ですが、頭痛のみで始まる非常に危険な病気が隠れていることがあります。このような頭痛では病気の発見の遅れにより、命に関わる危険性があり、また命が助かったとしても後遺障害へと進展してしまうことがあります。特に頭痛持ちの方では、いつもの頭痛と考えて発見が遅れてしまうことがあります。頭痛診療の目的の1つ目は、まずこの危険な頭痛を早期診断し早期治療を行うことにあります。以下の項目に当てはまる頭痛では危険な頭痛の可能性があり、受診が勧められます。

  1. 急または突然に出現した頭痛
  2. 今まで経験したことがない頭痛
  3. いつもと様子が異なる頭痛
  4. だんだんと頭痛の頻度と程度が増えていく頭痛
  5. 50歳以降に出現するようになった頭痛
  6. 発熱を伴う頭痛
  7. 癌の治療中または診断されたことがある方の頭痛
  8. 意識が朦朧とする頭痛
  9. 立ち上がったり、横になったりで変化する頭痛
  10. くしゃみや咳、運動によって起こる頭痛
  11. 怪我や交通事故などの外傷後に出現した頭痛

2.頭痛を改善する

頭痛の診断は必要なのか?

頭痛は国際頭痛分類により367種類に分類されています。頭痛診療の2つ目の目的は頭痛の種類を診断し、頭痛を改善することです。実は専門の診察や治療を受けていない方の多くが、頭痛の種類が分からないまま市販薬を内服しています。頭痛の種類がわからないままで良いのでしょうか?
頭痛を改善することとは、ただ頭痛薬を内服して痛みを軽減するのみではなく、頭痛の原因を突き止めて頭痛の頻度を減らしたり、頭痛が起こったとしても頭痛の程度を軽くすることです。そのためにも診断をしっかりとつける必要があります。
また頭痛の90%以上は現在のところ治癒できるものではなく、何度も繰り返します。しかしこれらの頭痛の原因は睡眠や食事などの生活習慣や季節・気候などにあることがほとんどで、それらに対処することで頭痛の頻度を減らし、頭痛の程度を軽くすることができます。当院の頭痛診療では、詳細な問診と丁寧な診察により本人でも気づいていない原因を突き止め、頭痛の発生を減らし、日常生活への影響を最小化することを目的としています。実は私も片頭痛持ちですが、生活習慣の改善により頭痛の頻度・程度ともに軽減された経験があります(院長紹介ページ参照)。

天気や気候にも対処できるのか?

天気や季節・気候などが頭痛の原因と分かっても、対策は可能なのでしょうか?実はほんの少しの日々の工夫で頭痛を予防できることがあります。またいわゆる西洋薬にはこのような天気や気候に対処する薬剤はありませんが、漢方薬には対応できる薬剤があります。そのため当院では頭痛で受診した患者さんにも漢方医学の「腹診」というおなかの診察を含め、全身の診察をさせていただくことがあります

頭痛による損失は想像以上に大きい?

なぜこれほど真剣に頭痛の改善に取り組まなければならないのか、それは頭痛による日常生活への影響、また経済的な損失が非常に大きいためです。
頭痛の患者さんには「次にくる発作が不安」、「家族との時間を犠牲にしてしまっている」、「人との約束を遠ざけてしまう」などの日常生活における大きな悩みを抱えていることが調査で示されています。
さらに頭痛は日常生活に支障を与えるだけでなく、産業や経済へ大きな被害を出していることが報告されています。この報告では片頭痛のため仕事を欠勤することによる年間労働損失額は日本で年間約3008億円と見込まれています。また欠勤してはいないけれど、体調が悪いため業務パフォーマンスが低下することによる年間労働損失額は約3677億〜2兆3734億円と試算されています。このデータから日本では頭痛が酷くてもなかなか欠勤できず、無理して出勤して仕事をしていることが推測されます。周囲からは「たかが頭痛で大げさな…」と思われたり、また頭痛持ちの本人ですら「いつものことだから」、「ちょっと休めば大丈夫だから」と頭痛に対しては軽視されてきたことがうかがえます。

頭痛を改善することにより、日常生活や経済的な負担を軽減することが当院の頭痛診療の目的です。そのために原因を突き止め、頭痛を起こしにくい生活習慣の獲得を一緒に目指します。また必要な方には頭痛の発生を予防する薬物治療を提案いたします。

3.頭痛の増悪を予防する / 薬剤の使い過ぎを予防する

いつもの頭痛、このままなら問題ない?

いつもの頭痛にいつもの頭痛薬を内服して対処を継続すれば問題はないのでしょうか?実は頭痛は徐々に増悪し慢性化することがあります。つまり日々の頭痛の日数が徐々に増加してしまうのです。特に片頭痛では約3割の方が慢性化すると報告されています。一度、慢性化すると頭痛を改善できる確率が低下します。頭痛の原因を突き止め、慢性化する前に頭痛を改善することが重要です。

いつもの薬を使いすぎていませんか?

頭痛が慢性化する大きな要因の一つとして「薬剤の使用過多による頭痛」というものがあります。頭痛持ちの方では頭痛を繰り返すことで鎮痛薬の内服が早め早めになり、内服量が多くなる傾向にあります。鎮痛薬を多く内服することで逆に頭痛が増悪してしまうのが「薬剤の使用過多による頭痛」です。薬剤の使用過多による頭痛に陥ってしまう理由は、1つは普段の頭痛が慢性化すること、もう1つはこの頭痛が知られていないことによります。鎮痛薬の多すぎる使用は逆に頭痛を酷くしてしまうのだと知り、普段から頭痛を起こしにくい生活することが重要です。「薬剤の使用過多による頭痛」に一度なってしまうと改善するのに大きな苦しみを伴いますので、この頭痛に陥らないようにすることが重要です。

当院の頭痛診療

①問診

頭痛の性状や始まり方、頻度などに加えて、薬の服用状況や既往歴などを確認させていただきます。

WEB問診票

②医師診察

神経学的診察および漢方医学的診察を行います。

(頭痛でもお腹など全身の診察を行うことがあります)

③MRI・CT検査

必要に応じて血液検査、CT検査、MRI検査などを実施します。

④結果説明

診察と検査の結果から診断と治療方針について説明いたします。

⑤指導

生活習慣、食事や薬の使い方などについて説明します。

⑥経過観察

診療経過を検証し、治療効果の確認および見直しを行います。

どのくらいの人が頭痛で困っているのか?

頭痛の頻度 〜頭痛に悩む日本人〜

日本では約4000万人、およそ3人に1人が慢性頭痛で悩んでいることが2000年に報告されています。そのうち約1000万人ほどが片頭痛です。

四肢麻痺や認知症に匹敵する日常生活支障度

頭痛の辛さは本人にしか分からず、しばしば「たかだか頭痛で...」と軽視されることもありました。しかし三大頭痛の一つである片頭痛では日常生活への支障度が極めて大きいことが報告されています。片頭痛発作時に日常生活に支障がない、もしくは軽度の支障のみである人は26%しかおらず、74%の片頭痛発作は日常生活に大きな支障があることが報告されています。また発作時の日常生活への支障度が四肢麻痺や認知症に匹敵するということも示されています。

日常生活に対する支障の重症度
Menken M, et al., Arch Neurol., 57; 418, 2000から作図

頭痛の疫学

頭痛疫学

日常生活への影響

頭痛の支障度
五十嵐久佳、坂井文彦:Pharma Medica 18: 82, 2000から作図

危険な頭痛

頭痛の中には以下のような放置してはいけない危険な頭痛があります。

  • 脳梗塞 (頭痛合併率 7.3〜34%)
  • 脳出血 (頭痛合併率 33〜88%)
  • くも膜下出血
  • 脳動静脈奇形 (頭痛合併率 7〜48%)
  • 動脈炎 (巨細胞性動脈炎、原発性中枢神経系血管炎)
  • 脳動脈解離
  • 脳静脈血栓症
  • 可逆性脳血管攣縮症候群
  • 硬膜下血腫
  • 脳腫瘍
  • 髄膜炎
  • 緑内障発作

詳細な問診と診察により、これらの危険な頭痛が疑われる場合は、すぐに検査を行います。当院ではCT・MRIを完備しており、当日中に検査が行えます。

頻度の多い頭痛

日本の慢性頭痛のうち90%以上は3大頭痛である片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛であるとされています。これらに加えて後頭神経痛、また最近ではマスクによる頭痛やテレワークによる頭痛が増加しています。

日本の人口の8.4%、1000万人が片頭痛であると推計されています。

片頭痛という病名ですが、頭の両側が痛む人が40%程度います。ズキンズキンと脈打つような頭痛が典型的ですが、典型的な痛み方をするのは約60%の方です。体を動かすと頭痛が増悪し、身動きがとれなくなります。

頭痛以外に吐き気や嘔吐を伴うことが多いです。また光や音に敏感となり、眩しいところや騒がしいところにいると頭痛がひどくなるため、静かで暗いところ休みたくなります。匂いにも敏感になり、香水などの匂いで頭痛が増悪します。女性の方が男性の4倍多く、非常に日常生活への支障度と重症度が高い頭痛です。

以下の項目に当てはまる方は片頭痛である可能性があります。慢性頭痛へと進展しやすい頭痛の代表であり、お困りの方は是非ご相談ください。

  • 頭痛薬を服用しないと頭痛が4時間〜3日間続く
  • 家族にも頭痛持ちがいる
  • 頭痛の時は暗い部屋で静かにしたい、寝ている方が楽である
  • 頭痛の時は仕事に集中できない、休んでしまう
  • 頭痛の時は吐き気がする、嘔吐することもある
  • ギザギザと光るようなものが視界に現れて徐々に広がり(5分〜1時間)、これが消えると頭痛が現れる
  • 頭を上下させたり、体を動かすと頭痛が悪化する
  • コーヒーを飲むと頭痛が少し落ち着く
  • お酒を飲むと頭痛が起きやすい(特に赤ワイン)
  • 雨や台風が来ると頭痛が起こりやすい(特に雨が降る前日)
  • お腹が空くと頭痛が起こりやすい

緊張型頭痛

日本には3000万人の緊張型頭痛患者さんがいると推計されています。

頭全体が重く、圧迫されるような頭痛が特徴です。首のコリによって起こります。片頭痛と同様に日々の姿勢や生活により大きく影響を受ける頭痛ですが、片頭痛と異なり食事の影響は軽微です。
コロナ禍での運動の減少やテレワークによって増加しています。

以下の項目に当てはまる方は緊張型頭痛の可能性があります。原因を突き止めることで容易に頭痛を解消できる場合が多いです。いつでもご相談ください。

  • 頭全体が重い、圧迫されるようである
  • 1週間以上痛みが続くこともあるが、いつの間にか消えていることもある
  • 体を動かしても頭痛は悪化しない、よくなることもある
  • お風呂に入ったり、お酒を飲むと楽になる
  • 痛くても仕事や家事はいつも通りできる
  • 姿勢が悪い、猫背である
  • ハイヒールで長時間歩く、あぐらで過ごす時間が長い
  • 運動はほとんどしない
  • パソコン作業が多い
  • スマホを1日中見ている
  • 頭痛以外に吐き気などの症状はない

群発頭痛

日本に20万〜50万人と推定されており、片頭痛や緊張型頭痛と比較すると少なくなります。

片側の眼球周囲に激痛が出現し、あまりの痛さのために安静にしていられず動き回ってしまうのが特徴です。片頭痛と異なり必ず片側のみの痛みであり、また女性よりも男性に多いです。群発という名称は1年間の一定の期間に何度も起こる、または毎日同じ時間帯に何度も起こるという特徴を表しています。あまりの激痛のため市販薬は全く効きません。

以下の項目に当てはまる方は群発頭痛である可能性があります。市販薬が無効であり、痛みの程度は片頭痛よりも酷いとされています。早急にご相談ください。

  • 頭痛が15分〜3時間続く
  • 片側の目がえぐられるように激しく痛む、同じ側の顔や歯が痛むこともある
  • 痛すぎてじっとしていられない
  • お酒を少し飲むだけですぐに頭痛が始まる
  • 1年の決まった時期に1〜2ヶ月だけ起こり、時期が過ぎて落ち着くと全く痛まない
  • 必ず同じ片側だけが痛む
  • 痛む側だけ涙・充血・鼻水・鼻詰まり・まぶたのむくみが起こる
  • 明け方に激痛で目が覚める
  • 市販の鎮痛薬が全く効かない

後頭神経痛

片側の首から後頭部にビリッと電気の走るような痛みを認める頭痛です。「チクチク」や「ピリピリ」とした一瞬の激痛を何度も繰り返しますが、痛みがないときにはスッキリとなくなります。首の後ろから後頭部を支配する大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経のいずれかが起こす神経痛です。

首の周りの筋肉が凝ってしまうことが原因の一つと考えられています。スマホの普及とテレワークの増加により急増している頭痛です。

以下の項目に当てはまる方は後頭神経痛である可能性があります。生活習慣の中に潜む原因を改善することで解消できる場合があります。お困りの方はご相談ください。

  • 頭痛は一瞬もしくは1分以内
  • 片側のみの痛み
  • 頭皮がピリッと痛む
  • 1週間くらい続くことが多い
  • 市販薬が効かない
  • 首が凝っている
  • ブラシで髪をとかしたり、頭を洗うときにビリッと痛む
  • 雨の前日に悪化しやすい
  • 急に首を回すと痛むことがある

当院では日本脳神経外科学会専門医/指導医である院長が診断・治療を行っています。お気軽に相談いただけるクリニックですので、お困りのこと、心配なことがありましたら、いつでもいらしてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA