Covid-19は5類感染症となりましたが、定点報告数は増加傾向にあります。また免疫を逃れる力がより強いオミクロン株XBB亜系統も増加しています。2021年、2022年と年末年始に流行があり、今年度の冬にも流行が懸念されます。ここでは2023年9月20日から開始される、コロナワクチンの令和5年度秋開始接種について説明いたします。
辻堂脳神経・脊椎クリニック 院長
中川 祐
なかがわ ゆう
慶應義塾大学医学部卒業|慶應義塾大学病院、横浜市立市民病院、済生会横浜市東部病院、済生会宇都宮病院、足利赤十字病院、日野市立病院などで勤務後に辻堂脳神経・脊椎クリニックを開院|脳神経外科専門医・指導医 / 脳神経血管内治療専門医
2023年(令和5年)秋接種について
使用されるワクチンはXBB.1.5対応1価ワクチン
2023年9月20日以降に使用されるXBB.1.5対応1価ワクチンはオミクロン株XBB.1.5に対して、現行の2価ワクチンよりも高い中和抗体価を誘導することが報告されています。
接種対象者
ワクチン接種を希望する、生後6ヶ月以上の全ての方が対象です。まだ初回接種を受けていない方もXBB対応ワクチンでの初回接種を受けていただけます。
従来型ワクチンの有効性
従来型ワクチンの有効性はオミクロン株流行下において、入院予防・重症化予防の効果は6〜12ヶ月、死亡予防効果は短くとも10ヶ月以上保たれることが報告されています。ただ新型コロナワクチンの効果の持続期間には一定の限界があり重症者を減らし、流行を小さくするという公衆衛生上の意義から2023年秋にも追加接種が可能となっています。Covid-19パンデミックは終息に向かっていますが、流行はまだ続くと考えられ、ワクチンの必要性に変わりはないと判断されています。
mRNAワクチン
使用されるのはファイザー社のmRNAワクチンです。新型コロナウイルスそのものが含まれているわけではありません。免疫が低下しているからとワクチン接種により新型コロナウイルスに感染することはありません。
当院では9月21日(木)からワクチン接種を開始します