脳ドック

脳ドックの目的

2019年に行われた国民生活基礎調査により、介護や支援が必要になった疾患の第１位が認知症、第２位が脳血管疾患（脳卒中など）であり、それぞれ17.6%と16.1%を占めました。つまり介護が必要になる原因の約1/3が脳の病気によることが示されました。一般の健診のみではこれらの疾患の予防や早期発見は難しく、そのために介護が必要となる疾患として脳の疾患が上位を占める結果となっています。これらの疾患は発症直前まで自覚症状がないことが多く、予防や早期発見・早期治療のためには脳ドックが勧められます。

当院の脳ドックの特徴

当院の脳ドックではMRI・MRAなどの画像診断を中心として、超音波、血液・髄液検査、心電図などの検査を行なっています。検査の内容は細かく取捨選択可能ですので、行いたい検査のみをお選びいただけます。また心配している疾患ごとに最適なセットの脳ドックも用意しておりますので参考にしてください。

最新鋭の診断機器である頭部MRI・MRAで精密検査を行います。

ご自身の心配な疾患や状況に合わせて検査を選択いただけます。これまでに行ったことがない検査のみを行い、費用を抑えることも可能です。

検査の結果、治療が必要となった場合も当院で治療をお受けいただけます。また手術や入院が必要な場合は信頼できる医療機関をご紹介いたします。

検査内容

MRI

MRIは磁場と電磁波を用いて行う検査であり、レントゲンやCTのように放射線の被曝はありません。脳の詳細な断面図が撮影できます。脳梗塞・脳出血や脳腫瘍、認知症で特徴的な所見を呈する萎縮などを評価できます。

費用（税込）：¥ 16,500

MRA

MRAでは脳梗塞の原因となる脳や頚の動脈の狭窄や閉塞、またクモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、もやもや病などを評価できます。

費用（税込）：¥ 16,500

頸動脈超音波検査

脳梗塞の約1/4は首の頸動脈の狭窄などが原因で起こります。この頸動脈を超音波検査を用いて検査します。超音波では動脈の狭窄や血流の流れ具合、動脈壁の肥厚、プラークの沈着、プラークの性状などが測定できます。これらの結果から脳梗塞の危険性や動脈硬化について評価します。

費用（税込）：¥ 8,800

血圧脈波測定

上腕と足首の４箇所で血圧と脈波を測定することで血管のつまり具合と血管の固さ・動脈硬化の程度が評価できます。動脈硬化は高血圧や糖尿病、喫煙などの生活習慣が原因となりますが、身体の一部で起こるということはなく、全身の血管で起こります。そのため手足の血管で狭窄が認められた場合は脳や心臓の血管にも狭窄や動脈硬化が起こっている可能性が高いです。

費用（税込）：¥ 3,300

血液検査

• A（一般）：全身の病気や貧血など血液成分の異常に加えて、脳血管障害や認知症の原因となる生活習慣病の状況を含めて詳しく評価します。
  費用（税込）：¥ 4,400
• B（脳梗塞）：脳梗塞や心筋梗塞のリスクを評価する最新の指標であるLOX-indexを含めて評価します。
  費用（税込）：¥ 17,600
• C（認知症）：アミロイドβという物質の脳への蓄積がアルツハイマー型認知症の原因物質と考えられています。このアミロイドβの脳への蓄積のしやすさを調べることで今後の認知症の発症リスクを評価します。
  費用（税込）：¥ 26,400

髄液検査

アルツハイマー型認知症を発症する約20年前から原因物質であるアミロイドβが脳へ少しずつ蓄積します。アミロイドβが蓄積すると、神経細胞と神経細胞のつながりであるシナプスが損傷されます。またタウというタンパク質は脳に蓄積すると神経細胞の死を招き、アルツハイマー型認知症やその他の認知症の原因となります。このアミロイドβとタウは認知症を発症する以前から脳に蓄積を始めるため、認知症を発症する前に発見できれば、神経細胞が障害される前に認知症の予防を開始することが可能です。アミロイドβとタウの蓄積を評価するために腰から脳脊髄液を採取し、以下の３つを精査します。

血液検査よりも精度の高い評価が可能ですが、侵襲的な検査となります。当院では経験豊富な院長が局所麻酔の上で行います。検査の後は１時間ほどベッド上で安静にしてお過ごしいただきます。

費用（税込）：¥ 55,000

認知機能検査

実は認知症の検査として行われるMRIのみでは認知症と診断することはできません。認知機能を正しく評価する必要があるからです。画像検査だけでは評価できない認知機能の低下を各種の認知機能検査で評価します。

費用（税込）：¥ 4,400

脳ドックおすすめコース

スマート脳ドック

検査内容：脳MRI＋脳・頸部MRA
検査時間：約30分
結果説明：終了後すぐに行えます

脳のMRI・MRA、頸動脈のMRA検査を行い、主に脳梗塞のリスクとなる動脈狭窄、くも膜下出血のリスクとなる脳動脈瘤、そして脳腫瘍など自覚症状がない異常を調べます。

脳卒中コース

検査内容：脳MRI＋脳・頸部MRA＋頚動脈超音波検査＋心電図＋血圧脈波測定
検査時間：約１時間半
結果説明：終了後すぐに行えます

スマート脳ドックコースに加えて、脳血管障害の原因となる動脈硬化を詳細に調べます。

脳卒中プレミアムコース

検査内容：脳MRI＋脳・頸部MRA＋頚動脈超音波検査＋心電図＋血圧脈波測定＋血液検査＋LOX-index
検査時間：約２時間
結果説明：後日になります

脳卒中コースに加えて、脳梗塞や心筋梗塞を発症するリスクを評価できるLOX-indexを加えた充実コースとなります。高血圧、脂質異常症、糖尿病やメタボの方、またご家族に脳梗塞や心筋梗塞を起こされた方にお勧めのコースです。

認知症コース

検査内容：脳MRI＋脳MRA＋認知機能検査
検査時間：約２時間
結果説明：検査終了後すぐに行えます

スマート脳ドックコースに加えて、記憶・見当識・計算・注意機能・遂行機能などの認知機能を評価します。日常生活にお変わりない場合でも、軽度認知機能障害ではこれらの認知機能の一部が低下していることがあります。

認知症スペシャルコース

検査内容：脳MRI＋脳MRA＋認知機能検査＋血液検査
検査時間：約２時間
結果説明：後日になります

認知症コースに加えて、血液検査でアルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβが脳に蓄積しやすい状況かを評価します。

認知症プレミアムコース

検査内容：脳MRI＋脳MRA＋認知機能検査＋血液検査＋髄液検査
検査時間：約３時間
結果説明：後日になります

最も正確にアミロイドβの蓄積を評価できる髄液検査が加わったコースになります。

MRI検査を受けられる方へ

MRI検査は強力な磁力を用いるため、下記に該当する方は注意が必要です。MRI検査を行えない場合もあります。ご予約時に必ずご相談ください。

FAQ よくある質問